トルコ伝統の公衆浴場ハマムって何だろう?
世界には様々な温浴文化があります。
その様式は国ごとに異なり、日本ではなかなか体験できないようなスタイルのものも存在しています。
今回は、アジアとヨーロッパにまたがる国・トルコの公衆浴場「ハマム」について取り上げます。
トルコの公衆浴場ハマム
ハマムはトルコをはじめ、主に中東のイスラム圏でみられる伝統的な公衆浴場です。
トルコ語ではハマムやハマーム、アラビア語ではハンマームといった発音になります。
本記事では「ハマム」に統一して話を進めていきます。
ハマムは日本でいうところのスーパー銭湯やサウナのものなものです。
ハマムの浴場は蒸気がたくさん漂うスチームサウナのような空間。
浴場の中央には大理石の台が設けられています。
この大理石の台は上で人が横になるためのもの。
40度前後で温められていて、岩盤浴にも似ていますね。
スチームサウナと岩盤浴が合わさったような浴場を持つのがハマムなのです。
ハマムは水着着用
日本のスーパー銭湯のようなものだと聞くと、私たちは裸になって入るものだと思いがちです。
ですが、トルコは人前で全裸になる習慣がありません。
そのため、ハマムは基本的に水着着用。
場所によっては水着ではなくバスタオルを巻くところもありますが、隠すところはしっかりと覆います。
水着は持参したり、レンタルや使い捨てが用意されているところもあります。
また、ハマムは施設によって「男女別」「男女入れ替え制」「男女混浴」などのパターンがあります。
特に男女混浴の施設では水着着用厳守です。
ハマムの流れ
テレビ番組などでハマムでアカスリやマッサージなどを受けている映像を見たことがある人も多いと思います。
これらのサービスは、番台でコースを選んだ際に受けられるもの。
アカスリやマッサージなど無しで利用できる場合もあります。
アカスリなどのサービスを受ける場合の流れは次のようになります。
脱衣所で水着に着替えて浴場へ。
浴場ではまず、簡単に体を洗いましょう。
浴場の壁際には洗面台のようなものが用意されています。
蛇口からお湯を出して洗面器に注ぎ、そのお湯で体を洗います。
かけ湯のようなものですね。
さて、浴槽でゆっくり温まるか~・・・とは、なりません。
ハマムには浴槽は無いのです。
体を軽く洗った後は、大理石の台に寝転がったり、腰掛けたりして体を温めます。
しばらく体を温めるのは、アカスリのため。
汚れを落ちやすくするために、ある程度体がふやけた状態にしておくのです。
日本のスーパー銭湯でアカスリを受ける場合でも、アカスリ前に湯船につかるように指示されますよね。
ちなみに、ハマムでアカスリやマッサージを行ってくれるスタッフさんのことを「ケセジ」と言います。
男性は男性、女性は女性のケセジが担当することが多いようです。
ハマムさんから指示されたら中央の大理石の台へ。
台の上で寝転がったら、アカスリが行われます。
女性の場合は上の水着を外すこともあります。
アカスリが終わったら次はマッサージ。
一旦アカスリで出た垢を洗い流した上で行われます。
マッサージは大量の泡を使ったもの。
泡で全身を包まれながら、マッサージを受けていきます。
最後に泡や汚れを洗い流して終了。
一通り終わったら浴場を後にします。
施設によっては休憩室もあって、ゆっくりできるところもあります。
おわりに
トルコの伝統的な温浴施設ハマムですが、近年はトルコの温浴文化を体験したい外国人観光客をターゲットとしている面があります。
昔は憩いの場・社交の場として機能していたハマムですが、各家庭で浴室を持つようになったこともあり一般の利用者は減少。
もちろん今でもその役割を果たしている面はあるのですが、家で体を洗えるのであれば頻繁には通わなくなりますよね。
このあたりは、日本の銭湯が減っていった背景と似ていますね。
その一方で、外国人観光客向けにサービスを充実させている施設もあり、中には日本語のメニューを用意している所もあるんだとか。
トルコの観光ガイドには、ハマムは必ずといっていいほど掲載されています。
トルコに行った際にはハマムを体験してみてはどうでしょうか?