スパ施設などに併設されることが多くなり、一般的に認知されるようになった岩盤浴。
日本では2000年代の中ごろに女性中心をとしたブームとなったことから、一気に浸透しました。

でも、岩盤浴はどのようにして広まったのでしょう?

秋田県玉川温泉

日本で岩盤浴の発祥として挙げられるのが秋田県の玉川温泉です。

玉川温泉は、江戸時代には硫黄採掘場だった場所が明治時代に湯治場として開かれ、その後温泉地となった場所。
日本有数のラジウム温泉浴場で、今でも重い病気を患う人が湯治目的で足を運ぶ有名な温泉地となっています。

玉川温泉の岩盤浴は、98度に達する源泉の近くの、地熱が50~60度ほどの岩場地帯。
自然の岩場の上にゴザを敷いて横になる、まさに天然の岩盤浴です。

この温かい地帯でくつろいだ人が症状の回復を感じ、温められた岩盤の上で寝転がることの湯治効果が経験的に期待されたことで、徐々に広まっていったと言われています。

ちなみに玉川温泉には特別天然記念物に指定された「北投石」という鉱石があります。
この北投石が発する微量のラジウムによって、免疫機能向上や自然治癒力の向上などの効果が期待されています。

2000年代の岩盤浴ブーム

岩盤浴施設として営業を最初に行い始めたのは、宮城県の気仙沼市の施設だといわれています。
気仙沼市を皮切りに各地方へ普及し、地方でのムーブメントによって東京などの大都市へ広まっていきました。

大都市圏までブームが広まったことにより、2000年代前半から中盤にかけて、女性を中心に新しいリラクゼーションとして急速に広まっていきました。

しかし、ブームにより様々な業者の介入や店舗の乱立なども相まって、衛生問題が提起されるようになります。
衛生問題が取りただされたことをきっかけに、岩盤浴業界のブームはピークを迎え、その後急速に落ち込んでいきました。

併設型の増加

ブームの終焉とともに、岩盤浴専門の小規模な店舗や問題のある店舗は淘汰されていきました。
その一方で、増えてきたのがスーパー銭湯などスパ施設に併設された岩盤浴です。

ブーム時は岩盤浴専門店が多く、また女性中心のブームであったため女性専用という店舗も珍しくありませんでした。
それがスパ施設に併設されたことによって、女性だけでなく男性も利用しやすくなりました。

娯楽性のある様々な工夫が凝らされた施設もできており、夫婦や家族、カップルで楽しめるものとなってきています。