湯遊ワンダーランドのドラマが最終回を迎えたのでコミックと公式本を読み返してみた
2023年7月クールにテレビ大阪やBSテレ東にて放送されていた「湯遊ワンダーランド」。
サウナを舞台としたドラマです。
サウナドラマといえば、テレビ東京で放送された「サ道」が有名(2019年、2021年、ほかスペシャル版放送あり)です。
サ道はサウナ大使をされているマンガ家・タナカカツキ先生のコミックやエッセイである「サ道」を原作としたドラマですが、湯遊ワンダーランドも同様に原作が存在しており、マンガ家・まんきつ先生の同名マンガ「湯遊ワンダーランド」を原作としています。
この2作品はサウナを舞台とすることや原作の主人公が作者自身となっていることなど共通点が多く、その一方でサ道は男性サウナが中心で湯遊ワンダーランドは女性サウナが中心という違いがあることから、湯遊ワンダーランドは女性版「サ道」といえるでしょう。
※まんきつ先生はコミック発売当時は「まんしゅうきつこ」名義で活動されていました
湯遊ワンダーランドは銭湯の女性浴場のサウナを舞台としたどこか独特でシュールな世界観の物語となっており、興味を持って視聴されたサウナファンの方は多いのではないでしょうか。
ちなみに筆者は、地域やBS放送を契約をしていない関係で、TVerでの配信で同ドラマを視聴していました。
そんな湯遊ワンダーランドは2023年9月30日放送分で最終回を迎え、同放送時間帯では10月から別番組が始まっています。
湯遊ワンダーランドロス・・・ではないですが、興味を持って視聴していたドラマが完結するのはどこか寂しいもの。
その感情を少しでも埋めたいために取りたくなる行動の1つが原作を改めて読んでみることではないでしょうか。
ということで、筆者はもともと所有していた原作マンガ全3巻を本棚から引っぱり出しました。
また、最終回放送直前の9月25日にドラマ公式サウナガイドも発売されていたので、そちらも購入。
ドラマ放送終了後に、改めて「湯遊ワンダーランド」の世界を楽しんでみました。
湯遊ワンダーランド 全3巻
湯遊ワンダーランドは雑誌・週刊SPA!に掲載されていた内容を書籍化したもので扶桑社より出版されています。
巻数は全3巻。
1話あたり6ページのショートストーリーで、1巻に30話分が掲載されています。
全3巻なので、話数としては全90話です。
ドラマを見たうえで改めて1巻の第1話から読み直してみると、いろいろと感じることがあるもの。
読み返してみると、サウナや銭湯が全く登場せず、登場するキャラクターの性格や物語の世界観のみ感じられる話もチラホラ含まれていました。
サウナドラマの原作になっていることを考えると意外ですよね。
コミックは原作ではあるものの、ドラマ化されているのは物語のなかの一部。
ドラマで見覚えのあるシーンを見つけると、ドラマの原作として使われていたことに気が付いた自分に嬉しくなります。
また、筆者個人としては原作は独特のクセがある作風だと感じているのですが、そのあたりが実写化されてどのようになったのか、といったところを確認するのも面白いと思いました。
女性のサウナの世界を知ることができることも湯遊ワンダーランドの特徴の1つ。
筆者は男性のため、通常は知ることのできない女性サウナの世界を垣間見ることができました。
湯遊ワンダーランドの物語を通して特徴的だと感じるのは「ヌシ」と称された常連客です。
ヌシとはいつもサウナ内の同じ場所に陣取って利用客のマナーなどを監視している存在なのですが、男性サウナではあまり見かけない印象です。
もちろん、そのような存在がいない女性サウナもあると思いますし、男性サウナでも近い存在の人が利用している施設等はあるのでしょう。
ただ、マンガやドラマでネタとしてピックアップされるほど象徴的な存在であることは筆者としては意外で、女性の環境ならではのものがあるのではないかと感じました。
結論、サウナマンガはやっぱり面白い。
ドラマ『湯遊ワンダーランド』 公式サウナガイド
ドラマ『湯遊ワンダーランド』の公式本として販売されているのが「ドラマ『湯遊ワンダーランド』 公式サウナガイド きつことととのう初めてのサウナ」です。
人気を博したドラマが公式のガイドブックを発売することは珍しくありません。
この本もドラマの公式ガイドブックとして、各話のストーリーやスタッフ陣のコメント、原作者インタビューなどが掲載されています。
また、ドラマに登場した実在する銭湯などの温浴施設の紹介もあり、ドラマの世界と現実の世界を繋ぐ役割も果たしていそうです。
映像を見た後に文章でストーリーの概要を読むと、映像では把握しきれなかった部分を理解できたり、印象が変わることも。
ドラマを一通り見終えた後のおさらいとして読みたい1冊となっています。
そして、それだけではないのがこの本の特徴。
ドラマのガイドだけでなく、サウナガイドにもなっているのです。
というか、本のタイトルにも「公式サウナガイド」とある通り、メインはサウナガイド。
直接的にドラマに関わる内容が占める割合はそれほど多くなかったりします。
サウナ施設の紹介も豊富なのですが、女性サウナを扱ったドラマのガイドブックだけあって女湯のサウナに焦点が当たっていることもポイント。
通常のサウナのガイドブックの場合は男湯のサウナをメインに紹介されていることも珍しくないので、サウナ好きの女性は嬉しい1冊ではないでしょうか。
ドラマの魅力はもちろんサウナの魅力や情報にも触れられるので、湯遊ワンダーランドのドラマを通してサウナに興味を持った方(特に女性)が手に取ってみると良い1冊だと思います。
ドラマに登場した実在のサウナを巡って、聖地巡礼的なサウナ旅をしてもいいかもしれませんね。