ロウリュウってなんだろう?

サウナ炉に水をかけることで熱い蒸気を発生させ、サウナ室内の体感温度を上昇させることで発汗を促す温浴方法「ロウリュウ」
ロウリュウはフィンランド発祥といわれており、日本でもサウナ施設や岩盤浴施設を中心にロウリュウを行う温浴施設が増えています。

日本で行われるロウリュウは店舗のイベントが多いです。

イベント時刻になると、スタッフさんがサウナの炉に水をかけ、タオルや大きな団扇を使って熱い蒸気を室内全体へ行き渡らせます。
室内全体が熱く感じられるようになったら、スタッフさんは各参加者を扇いでいきます。
熱い空間の中にいるだけでなく、熱くなった空気の風(熱波)を浴びせられることで、参加者は高温を体感し発汗が促されるのです。

ちなみに、参加者を扇ぐ等の奉仕的な習慣は「アウフグース」というドイツのサウナサービスから取り入れられたといわれています。
アウフグースでは、炉にアロマ水をかけたり、参加者を扇いだりといったことを行う役割を「マイスター」と呼ばれる職人が担います。
また、マイスターは参加者を楽しませるため、歌やトークなどによるパフォーマンスも行います。

日本で見かけるようになったロウリュウは、フィンランドとドイツの文化を合わせたものなのです。

ロウリュウがオートメーション化?

ロウリュウイベントを見かけることが増えてきた昨今ですが、その中で一般的なスタイルとはイメージを異にするロウリュウも出てきています。
その1つがオート(自動)ロウリュウと呼ばれる、機械仕掛けで行われるロウリュウです。

オートロウリュウでは、スタッフさんが担っていた役割をサウナ室に備え付けられたロウリュウ用の装置が担います。

詳細は店舗によって異なりますが、オートロウリュウでは次のような形になっていることが多いです。

説明・注意はモニター映像

スタッフさんがイベント前に口頭で行っていたロウリュウの説明やイベントの注意事項は、テレビモニターに専用の映像を流すことで参加者に伝えられます。

温浴施設のサウナ室にはテレビが設置され地上波が流れていることが多いですが、イベント時刻になるとテレビ映像がロウリュウ用のものに切り替わります。
モニター映像は説明や注意事項の伝達だけでなく、イベントを盛り上げるための映像やBGMを流す役割も果たします。

炉への注水はシャワーから

サウナ炉にアロマ水をかけることは、スタッフさんが柄杓を使って行うのが一般的です。
オートロウリュウの場合は、炉に水をかける仕組みが設置されています。

炉の上部や付近に蛇口やシャワーのようなものが付けられていて、イベントが始まるとアロマ水が炉に向けて注がれます。
注水時には炉をスポットライトを当てて、参加者の注目を集める演出が行われることもあります。

熱波を自動で起こす

スタッフさんがタオルや団扇を使って行う役割は、送風機やサーキュレーターのような風を発生させる機械が担います。

アロマ水がかけられたら、ゴォーという音とともに室内に風が送られます。
これにより熱波が発生して室内の体感温度が上昇します。

また、機械は複数の設置されていたり、風向きが変わるようになっていることで、室内の様々な場所にいる参加者に熱波が当たります。

手動と自動、ロウリュウの特徴を比較

ここからは、スタッフさんが行うロウリュウ(以下、手動ロウリュウ)と、機械仕掛けのロウリュウ(オートロウリュウ)の特徴を比較していきます。

どちらもロウリュウではあるため、熱さを感じ発汗が促されることは共通です。

しかし、実際に体験してみると様々な違いも感じる部分も無きにしも非ず。
人によって好みがわかれる点もあるのではないでしょうか。

体感できる熱波の勢い

ロウリュウで一番熱いと感じるのは、熱波を浴びせられているときです。

感覚的により熱波の勢いを感じられるのは「手動ロウリュウ」
スタッフさんが自分の目の前に立って何回か扇いでくれるため、瞬間的に勢いのある熱波が小刻みに浴びせられます。

オートロウリュウの場合は天井付近の送風機から送られる風のため勢いはあります。
ただ、距離があるのと継続的に熱波が当たるため、瞬間的に感じられる熱さの勢いはスタッフさんが思いっきり扇いでくれた熱波のほうが印象として強く感じます

なお、手動ロウリュウは人間が扇ぐもののため、スタッフさんの力強さや、スタッフさんの消耗度に左右される面があるのであしからず。

熱波を体感できる時間

熱波を体感できる時間の長さは「オートロウリュウ」に分があります

オートロウリュウでは数分間室内全体に風が循環します。
風向きが変わることもあるため、自身が熱波を浴びせ続けられるわけではないですが、数分間の間に何度も熱い空気が自分に向けて送られます

手動ロウリュウではスタッフさんが各参加者を順番に扇いでいくのが一般的。
1人あたりの扇いでもらえる回数は5~10扇ぎくらいが通常です。
自分の番の間は継続的に熱さを感じられますが、番が終わってしまえば後はイベントの終わりを待つだけです。
※一巡した後に希望者だけ再度扇いでもらえることもあります。逆に参加者の人数次第では数人まとめて扇がれる場合もあります。

また、団扇をあおぐスタッフさんはどんどん疲れていきます。
ペース配分はしているでしょうが、後半になれば力強さがなくなっていく場合も珍しくありません。
オートロウリュウなら演出上の風の強弱はあっても、疲れによって弱まっていくことはないですよね。

トータル的に熱さを長く感じていられるのは、オートロウリュウといえるでしょう。

イベントの安定感

前回は良かったのに、今回はイマイチだった。
そのような感想を持ったことはないでしょうか。
気に入ったイベントであれば、少なくとも前回と同じ質を期待したいものですよね。

同じ内容を期待しやすいのは「オートロウリュウ」です。
機械が行うため、故障でもない限り毎回同じサービスを受けることができます。

手動ロウリュウは人間が行うため、スタッフさんの調子や担当するスタッフさんの技量次第で違ってきます
もちろん、スタッフさんは最低限自分がやるべき役割はこなしてくれるでしょう。
しかし、担当する人が違えば、進行の上手さ、扇ぐときの力強さなども違い、結果的にイベントの印象も変わってきてしまう面があるのです。

個々にあったサービス

安定的に同じサービスが受けられるオートロウリュウでは参加者個々に合わせたサービスは期待できない面もあります。

モニターで説明が流れていると、うまく聞き取れなくても、もう一度繰り返したり、大きなボリュームで言い直したり、言葉を言い換えてくれたりはしません。
熱い空間にいるだけで満足で、自分に向けた熱波を浴びせられるところまではいらないと思っていても、問答無用に熱波を浴びせられます。

これが手動ロウリュウだったらどうでしょう。
説明が聞き取れなかったとしても意思表示をすれば、もう一度言ってもらえるでしょう。
扇がれたくない旨を伝えれば、自分の番を飛ばしてもらえることが通常です。

また、手動ロウリュウでは、一通りの参加者を扇ぎ終わった後に希望者のみもう一度扇いでもらえるサービスを行っている店舗もあります。
十分熱さを体感して満足した人は希望しなければよいですし、熱さをもっと体感したい人は希望すれば扇いでもらえます。

個々の要望を汲んで進行されるのは「手動ロウリュウ」になります。

楽しみやすさ

ここではどちらのロウリュウのほうが楽しめるかを取り上げます。

最初に結論を言うと、「ワイワイ盛り上がりたい」なら「手動ロウリュウ」「純粋に熱さを体感したい」なら「オートロウリュウ」に分があります。

手動ロウリュウとオートロウリュウの大きな違いは「コミュニケーション」の有無です。

手動ロウリュウの場合はスタッフさんが進行をするため、参加者のリアクションを見ながらイベントを進めていきます。
そのため、参加しているからには何かしらの意思表示をする必要があります。

スタッフさんがイベント冒頭で挨拶をしたら、参加者側も何かしらのリアクションを返すでしょう。
自分が扇いでもらう番になったら、スタッフさんのほうに向き直ったり、「お願いします」と言ったりもするでしょう。

軽いジョークを言ったり、参加者に話しかけるなど、コミュニケーションをとるのが好きな方がイベント担当される場合もあります。

また、手動ロウリュウでは参加者の協力を得て進められる場合もあります。
このようなスタイルでは、参加者は掛け声や手拍子を求められたり、出されたクイズの回答を求められたりします。
みんなでイベントを盛り上げようってスタイルですね。

このように手動ロウリュウでは人が進行するイベントのため、コミュニケーションが介在する余地があります。
コミュニケーション性があるからこそスタッフと参加者で一体となって進められる面があるため、「ワイワイ盛り上がりたい」人には「手動ロウリュウ」が楽しいと感じる部分が多いでしょう。

一方で、コミュニケーションをとるのが苦手だったり、盛り上がるのは好きではない人もいるでしょう。
ロウリュウの熱さを体感したいだけの方にとっては、「オートロウリュウ」のほうがおすすめです。

オートロウリュウは機械仕掛けであるがゆえに、リアクションなどをしなくてもイベントはどんどん進んでいきます。
コミュニケーション性がないため、余計な要素を盛り込まれる余地は少ないです。

そして、先の項目でも紹介した通り、イベント中に安定的に熱さを体感できるのはオートロウリュウといえます。
純粋に熱さを体感したい人にはオートロウリュウのほうが楽しめるのではないでしょうか。

なお、手動ロウリュウであっても、最低限のコミュニケーションだけで淡々と進行されることも珍しくはありません。
とくに浴場のサウナで開催されるロウリュウはその傾向が強いです。
熱さを楽しみたい人は浴場のサウナで開催されるロウリュウに注目するほうが良いかもしれません。

岩盤浴で開催されるロウリュウは、オートロウリュウであっても様々な演出がされていることが多くエンターテイメント性が高い傾向にあります。
熱さ以外の要素も楽しみたい人は岩盤浴のロウリュウに注目してみてください。

おわりに

ロウリュウを開催している店舗の中には、手動とオートの両方のロウリュウを開催しているところもあります。
2種類のロウリュウを開催している店舗へ足を運んだ際には、両方のロウリュウを体験してみると違いが感じられて面白いと思います。

ちなみに、オートロウリュウに比べて手動ロウリュウは開催が少ないケースがあります。
店舗のウェブサイトにはロウリュウの開催時刻の案内が出ている場合もありますので、事前にスケジュールをチェックして足を運ぶことをおススメします。